留置所にも拘置所にも2種類の部屋があります。独居房と雑居房です。何が違うのかと言いますと、簡単に説明すると、病院に例えて、独居房は個室、雑居房は大部屋になります。1人か数人かという違いですね。THE牢屋という部屋は少なくなっているようですが、出る事のできない、閉じ込められた状態で、1人で過ごすのか数人で過ごすのかというのは、結構重要な事なのかもしれません。

普段から人と絡むのが苦手、1人がいい、あんまり人に関わりたくないような事件を犯してしまったなどと、独居房を希望したい人もいるでしょう。1人ぼっちなんて淋しい、話し相手が欲しいと、雑居房を希望したい人もいるでしょう。部屋は選ぶ事ができるのでしょうか?どうやって決めているのでしょうか?

一応、希望を言う事はできるようです。でも、実際に希望に耳を傾けてくれる事は少ないようです。というのも、病院と同じように独居房はそれほど数が多くありません。雑居房を希望していたとしても、この人は独居房でしかダメだと思うような人は独居に行かなくてはいけません。ただ、単に1人になりたいという人の意見を受け入れすぎていては、独居しか無理な人は入る場所がなくなってしまいます。

基本的には、その人の性格や人間性、場合によっては犯した罪などによって、勝手に振り分けれ、それに従うしかありません。例えば、集団生活に向いていない人。一緒の部屋で過ごす人とは協力し合わないといけない事もあります。仲良くとはいいませんが、それなりに助け合っていかなければいけません。自分勝手な言動を起こす人は集団生活には向いていません。何をするか分からない人ほど独居房に行く可能性が高くなります。無差別殺人をした人が反省の様子がなければ雑居房にすると怖いでしょ?いろいろ考えて決められるようです。

独居房は1人で気楽に生活できるようなイメージがあるかもしれませんが、常に見張りがいると思ってください。雑居房でも見張られていると言えば見張られているのですが、独居房=問題がある人という場合が多い為、常に看守が見張っていたり、監視カメラが付いて監視されている事が多いようです。ちなみに雑居房には監視カメラはない事の方が多いです。監視カメラを付けている理由は、何をするか分からないからです。分かりやすく言うと、自殺防止です。独居房で自殺してしまう人は多いようです。

独居房は監視されているものの、誰かと協力するなど気を使う必要はありません。仲良くする必要もありません。一見、とても楽に見えます。ただ、外に出ることもできない小さな空間です。本やノートなどがあれば1人でも快適に暮らせる人もいるかもしれませんが、場合によっては何も持っていない事もあるでしょう。凄い孤独感に襲われるそうです。

雑居房でイジメにあった、人と一緒の生活が過酷だったなどでない限り、独居房での生活は精神的にかなり過酷なものになってしまうようです。事件を犯してしまった反省やショックよりも、この孤独で過酷な生活に疲れて自殺してしまう人の方が多いとも言います。実際に死んだ後に話を聞けるわけでもないので、推測にはなりますが、多くの独居房に入れられた人は、早く雑居房に移して欲しいと願うようです。

もし、拘束されるような事があったとすれば、多少の事は我慢して、助け合って生活する雑居房に入れて貰える方が良いんでしょうね。もし、今の家から出る事ができなくなって、家族も誰も帰ってこなくなったらと想像してみてください。確かに冷静ではいれなくなるでしょう。