自分が逮捕された時、家族は知らない事もありますよね。家に帰らない自分を心配しているかもしれないです。どんなに大切な会議があっても、接待があっても、会社だって逮捕された事は知らないので、会社に来ない事を心配するかもしれない。不審に思って下手すればクビになるかもしれない。せめて、連絡する事ができれば…。基本的に逮捕されれば、すぐに自分は関係ないという無罪の証拠を出さない限り、釈放される事はなく拘束されてしまいます。この時、連絡はとれるのでしょうか?

拘束されるという事は、外の世界と一切遮断されるという事でもあります。外に出る事は釈放されない限り絶対に不可能です。逮捕されて留置所に行ったり、拘置所に行った時には、所持品は預ける事になります。もちろん、携帯電話やスマホも預けます。逮捕前に取り調べがあったとしても、携帯電話の電源は切るように言われるでしょう。つまり、警察に同行された時点で、電話とメールはできなくなってしまいます。

この時、警察の人に「○○に会いたい。」と伝えたところで、会わせてもらう事はできません。逆に何らかによって逮捕されたと知った家族が会いたいと望んでも会えません。例えば、AさんはBさんに刃物で刺されました。思いのほか軽傷で命に別状はありません。ですがBさんは傷害or殺人未遂で逮捕される事になります。AさんがBさんを訴える気がなくても逮捕されるでしょう。逮捕されたBさんはAさんの容体も気になるし、謝りたい想いから連絡を望むが拒否されます。Aさんは大した怪我でもなかったので許してあげたいと思っていてBさんに会いたいと望んでも拒否されます。

ならば、「せめて電話をしたい。」とお願いしたとしましょう。もちろん無理です。Aさんが警察署に連絡して電話を繋いでもらうようにお願いしてもダメです。つまり、逮捕された時点で、誰が何を望んでも、会う事も連絡を取る事も許されません。警察官を間に挟んでの連絡も難しいです。ただ、家族や職場には警察から後ほど連絡をしてもらえます。きっと、逮捕状が出て拘束すると決まった時か、仕事なら出勤する時間よりは前に連絡してもらえると思います。逮捕された事を隠す事はできません。

拘束された状態で誰かに連絡を取る手段は手紙です。留置所でも拘置所でも手紙を書く事は許されます。ただし、レターセットを買うお金と、切手を買うお金がなければ手紙を出す事もできません。このような時は、家族なり誰かが面会に来てくれるのを待つしかありません。面会に来てくれた人に現金の差し入れをお願いするか、伝言を頼むかになるでしょう。どちらにしても住所が分からなければ意味がないですね…。

拘束されて少しすると、逮捕された人に弁護士が付きます。弁護士は決まった時点で必ず接見(面会)に来てくれます。国選弁護士の場合、どこまで親身に動いてくれるかは分かりませんが、良い弁護士に当たれば、お願いや伝言を快く受けてくれる事もあります。なので、弁護士を通じて連絡を取るのもアリでしょう。

いつでも誰とでも確実に連絡を取れるわけではありませんが、絶対に不可能でもありません。できるだけ可能な人には面会に来てもらうようにお願いした方が良いでしょう。家族や知り合いなどが拘束された場合は、嫌がらないで、1度は面会に行ってあげるようにしてあげてください。この時点では無罪の可能性もありますので、あまり避けないであげてくださいね。